写真集「ほとけの乙女 ミャンマーの仏塔・寺院と少女たち」の出版にあたって、プロモーションムービーを制作しました。
新作映画や音楽、ゲーム、小説などで、販売元となる会社がPVを制作することは一般的ですが、写真集では過去に例がないかもしれません。
写真集の出版と同時に写真展を開催することが多いですが、先にPVを制作して、後から写真展という流れにしました（写真展は後日、発表します）
ミャンマーの撮影では、動画を撮影していなかったので、写真とテキスト、BGM、効果音、ナレーションで構成。
テレビのCMは、15秒、30秒、45秒と、15秒間隔で企画され、あまり長いと途中でスキップされてしまう可能性があります。最初は30秒で制作しましたが、尺が合わず、45秒にしました。
PVのナレーションは、声優の小野大輔さんにご依頼すると決めていました。
何人かの候補がいた訳ではなく、作品のイメージから小野さん以外では考えられなかったからです。
小野大輔さんを希望した理由はいくつかあります。
1.小野大輔さんは仏像が好きで、仏教関係のナレーションを行っている。
NHKの趣味どきっ!アイドルと巡る仏像の世界、東大寺ミュージアムのナレーション、東寺、臼杵石仏の音声ガイドナビゲーターをされています。
写真集が仏塔・寺院という特殊な分野になるので、小野大輔さんが適任だと思いました。
2.ビジョン繋がり
小野大輔さんの代表作である『ジョジョの奇妙な冒険』の主人公、空条承太郎。第3部以降に登場するスタンド使いは、『生命エネルギーが作り出すパワーある像（ヴィジョン）』
「ほとけの乙女」は、太陽の光に照らされた遺跡を背景に祈る少女のビジョンを見たことで、旅に出る作品です。
どちらもビジョンが鍵となっています。
3.小野大輔さんの演じる作品が好き。
もっとも好きな作品は「プラネタリアン」
荒廃した世界。廃墟となった花菱デパート本店屋上・プラネタリウム館で、ロボットのほしのゆめみと出会い、少しずつ心を開いていく屑屋。後に世界中を旅しながら、星空のすばらしさを語りつぐ星の人となる。
この作品との出会いは動画の配信でした。その後にKeyのキネティックノベル、そして劇場版プラネタリアン・星の人を映画館で観ました。エンドロールが流れる頃には感動して号泣。同じく周囲にいた人たちの啜り泣く声が聞こえ、照明が点いて辺りを見回すと、僕と同世代の人たちの姿が。。なんとも言えない不思議な連帯感がありました。
PVの動画とナレーションの原稿、ご依頼する理由をまとめて、雷鳥社から小野さんの事務所にご連絡しました。数日後にマネージャーの方からOKのお返事をいただき、とんとん拍子で話が進みました。
録音の収録スタジオはこちらで手配することになり、赤坂にある映音空間赤坂スタジオにしました。リーズブルな料金設定に加え、担当エンジニアがつき、高品質な音声収録が可能。ネット予約ができるのも魅力でした。
そして、当日。
小野大輔さんは本当に来ていただけるんだろうか。。
大阪から新幹線で東京へ向かい、少し早めに赤坂スタジオ入り。担当エンジニアで社長の方は関西出身ということで世間話に花が咲き、ほっこりした気持ちになっていると、チャイムの音が。
ドアを開けると、小野D、小野大輔さんとご対面!!!
スタジオに入り、原稿の確認とテスト。そして本番。
最初のtake1は、仏像のナレーションのような優しい声でした。
そのお声も素敵でしたが、作品はミャンマーへ目的を持って旅に出る精悍なイメージ。精悍で力強い声を希望してtake2、take3と3回収録しました。
収録が終わって、小野さんから感想を述べていただき、爽やかに部屋を後にされました。
エンジニア兼映音空間の社長様は「小野さん、かっこいいねぇ〜」と一言。
僕は夢を見ているような気持ちで、うっとり（涙目）
花は散っても香りは残るといいますが、小野さんの声はまさに花。僕の記憶に、そして音声データにしっかりと記録しました。
動画に小野さんの声を合わせてPV完成。ほとけの乙女の世界観が、さらに壮大になりました。
まだこの時点では出版前でしたが、YouTubeに動画をアップすると、東京神保町の書泉グランデの担当者様からお声をかけていただき、4階の仏教のコーナーの店頭でPVを流していただけることになりました。
ほとけの乙女は、ミャンマー編が第1作目となり、今後はアジア各国を旅し、シリーズで続きます。
次回もPVを制作、ナレーションはもちろん続投していただきたく思っています。お楽しみに✨
書泉グランデ
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